終局までの Leela の判定結果を得る

Leela のメニュー『Analyze』『Analysis Window』と『Show Histogram』から,下図に示すような図が得られます。


上図に表示されている勝率ヒストグラムを見ると,最初は優勢を維持していた黒が,中盤から急激に落ち込み,そのまま逆転されて,投了に追い込まれています。ここでは,その原因を探って,どうすれば良かったのかを検討してみましょう。

白は高目を変更して小目戦略を採用した

左側の「次の一手の棋譜並べ」の手数窓 No. に「18」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。


過去の3子局棋譜では,多くの場合,白の初手は「高目」が採用されてきました。今譜では,上図の白 ① からわかるように,「小目」を採用してきました。これに対して,黒は ⑱ にみるように,高目にかかりました。。
ここまでは良いとして,その後の黒の対応にはいろいろ問題点が見つかりますが,勝率ヒストグラムで優勢を維持している間は良しとしましょう。

急転落は辺のツケに対する処置から始まった

左側の手数窓 No. に「75」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,急転落の始まりとなった白のツケ「75」をみることができます。
送りボタン >> を押すと表示されるように,黒は「76」と下から受けました。しかし,ここは上からハネるところでした。Leela の想定展開図を下図に示しますが,このように打てば,中央の黒一群は楽に右辺につながることができました。



打った石にこだわらず転身する術を身につけたい

左側の「次の一手の棋譜並べ」の送りボタン >> を順次押すと,白「79」と黒「80」を見ることができます。白「79」によって,下辺の模様が大きくなったので,黒「80」に入ったところです。このあと,黒が期待していた進行は,黒 ①,白 ②,黒 ③ でした。


ところが,実践の白は,「81」と黒 ③ のところに遮ってきました。これで,黒「80」は右辺につながるのが難しくなりました。
しかし,Leela の想定展開図が示すように,先に打った黒石を犠牲にして,下辺に潜り込む手段がありました。この後,黒は右辺の上下をつながっておけば,勝勢でした。


戦いの行く先を見極める術を身につけたい

その後,左側の「次の一手の棋譜並べ」の送りボタン >> を順次押してわかるように,黒は「96」と打ち,白「97」と換わりましたが,これは上述した Leela の想定展開図の黒 ① ノゾキを無くして損でした。下図に示すように,黒 ①,③ を決めて,右辺を ⑤,⑦ と厚くした後,中央から黒「k8」と出て,白を切断して攻め合いに持ち込むべきところでした。


上述の手段を狙わずに,黒「98」と切れない所を切ろうとしては,根拠のない黒石が,下辺・中央・上辺の3か所になり,どれかは助からない形勢になり,この碁は終わりました。